『ゴールデンカムイ』の実写版を見に行けました! 4 映画プロデューサーの友人と語る、ミニシアターと現代の映画館が抱える「異常な現実」

 

 

 

 

人気漫画『ゴールデンカムイ』の実写版で、王道エンタメの復活を祝して

 

大長編の原作をコンパクトかつ熱量を削がずにまとめた脚本は秀逸でした。

私は、日本全国の劇場でこうした「王道の大衆娯楽」が盛り上がってこそ日本映画の復興だと思っていますが。

 

一方で映画界が直面している厳しい現実についても考えさせられました。

 

都会のミニシアター、地方の苦悩


ずっと前に映画プロデューサーをしている友人と話をしました。

彼女は「日本映画界は復興している」と語るものの、その嗜好は社会問題や終活や老人や闘病を扱った「地味で真面目な人間ドラマ」に偏っています。

 

私は彼女に「そうした通向けの作品が成り立つのは、人口が多い都会のミニシアターだけでしょうね」と指摘しました。

 

友人「やっぱり、都会の方が知的なレベルの高い観客が多いのかしら」


私「いえ、単純に人口(分母)の問題ですよ」

都会の人口の多い地域だと、少数派好みのニッチな商売でもなんとか成立しやすいということでしょうし。

むしろ人口が多い分、都会の方が犯罪も多いでしょうし。

一概にレベルの問題とは言えません。


私「以前、新聞記事で読んだけど、地方の映画関係者はミニシアターに強い憧れを持ってるけど。でも「地方で通向けの作品特集をやるのだと、経営を維持するには、宗教団体などと組まないとやっていけないかもしれない」という苦悩を抱えているそうやで」

 

大阪の一等地で起きている「異常な光景」


その言葉が彼女のトラウマを刺激したのか、彼女は一気にまくしたて始めました。
「田舎だけじゃないわよー! 今の大阪の映画館もえらいことなってるのよー!」
「知り合いから、幸福の映画チケットを渡され動員を頼まれたことがあったの」

 

私「なんちゅうもん観とんじゃ、ワ~レ~(笑)」

 

友達(苦笑)「知り合いは営業上の付き合いでチケットを買わざるを得ないときもあるの」


「協力のつもりで劇場へ行ってみると、大人数の席のある巨大な会場に、観客が数人しかいないのよ!」

「「大阪の一等地にある超一流の映画館なのによ!」

「今の映画館は、そんな異常な商売をしなければいけないの?」

 

これには私も驚きを隠せませんでした。現代の映画館経営者が直面している、突きつけられた厳しい現実です。

 

日本の映画界の大劇場の苦境

 

大阪のシネマコンプレックスでも、50席ぐらいの小さなスクリーンの会場もあれば、400席ぐらいの会場もあります。東京では、大きいのになると、700席ぐらいの劇場もあるそうです。

50席ぐらいで小さなスクリーンの会場ならなんとか埋められる映画作品は大量に量産されてはいるのでしょうが。

巨大スクリーン(IMAXとか)と豪華な音響設備が売りの会場だと300席以上客席じゃないとコスト割れするのでしょう。

そんな豪華な設備の300席以上もある会場を一気に埋められるのって、日本では今はもう人気アニメシリーズだけでしょう。

 

昔なら大人気の洋画作品なら大人数の座席を一気に埋められてたでしょうけど。でも洋画はいまや、色々な要因で日本人からは不人気になっています。ポリコレ対策で観客には違和感のある設定や(必ず黒人を無理にでもブッキングとか)、アカデミー賞がなんだか国際的な芸術映画祭みたいになってて一般の日本人には難解な作品だらけとか、日本人からしたら感覚的にあわないのだらけとか。

伝聞ですが、アメリカでも今や若い世代にもアメリカ映画が不人気になってきているとか。若い世代には、誰もが知っているようなスター俳優がいなくなってきだしたとか。昔ならトム・クルーズやレオナルド・ディカプリオとか誰もが知っていたけど、そういえば最近の洋画の俳優ってあんまり知らないのだらけになってきだしたなとも思います。

 

東京ならまだ大劇場を一気に大人数で埋められるかも知れませんが。

今はもう大阪でさえ、大劇場になると、人気アニメ映画か、宗教団体に前売り券を大量にさばいてもらって実質客席はガラガラ状態というおかしな商売じゃないと維持できないのでしょうね。

 

アニメの席巻と、実写映画への願い


現在、大型画面や大人数の劇場を占領しているのは、やはり『鬼滅の刃』シリーズ、『探偵コナン』シリーズのようなアニメ作品です。

 

『ドラえもん』シリーズになると又別の問題が出てくるでしょうね。お子様向けの映画で付き添いの親も来るから観客動員数が多いけど。IMAXとか4DX(座席がガタガタ揺れるのとか)だと追加料金がかかるから、家族4人できたら結構な金額がかかるから、それなら小さなスクリーンの普通の映画館でもいいわってことになるでしょうし。クソ生意気なガキが「IMAXレーザー(4DX、SCREENX、サイオン)じゃないといやだもん」なんて言ったら、はったおしたくなるわね。


X(旧Twitter)では、「『ゴールデンカムイ』2作目は実写として傑作なのに、莫大な制作費に見合う興行収入には届かず、続編も危うい」という不穏な声も流れており、ショックを受けています。


私にできることは、少しでも動員に協力すること。だからこそ、2回目も観に行きました。普通の小さな画面ではなく、ScreenXのような希少価値のある体験を選んで。


2回見ても飽きずに十分楽しめたのは、それだけの密度と楽しさに満ちていたからです。かつて「日本の実写はダメだ」と絶望していた時代を思えば、このクオリティを劇場で楽しめるのは最高の体験です。

 

どうか、この王道エンタメの火を消さないでほしい。続編を作り続けてください。お願いします。

 

これを読んだみなさまも、もしよろしければ、映画館に行ってみて映画館ならではの映画を楽しんで支えてくださいね。